turninbrazil

日本とブラジル、地球の裏側にあるこの二つの国。日比野克彦監修のもと、「TURN」はこの夏、リオデジャネイロで開催されたオリンピック・パラリンピックを機にブラジルへと出かけました。「TURN in BRAZIL」では、日本及びブラジルを拠点に活動するアーティストが、現地の福祉施設を訪ね、施設や地域の人たちと交流を重ねたそのプロセスを通して生まれた作品をワークショップとともに紹介。リオデジャネイロの会場には、18日間の会期中に延べ4万人を超える来場者が訪れ、好評を博しました。
この度、ブラジルでの豊かな展開を踏まえて、「TURN in BRAZIL」の帰国報告を実施します。ブラジルで展開した交流プログラムや展覧会の成果を映像などを通して紹介するとともに、アート、福祉の実践者をゲストに迎え、プロジェクトメンバーが語り合う「帰国報告会」を開催します。

※本企画は、文化庁主催「ここから -アート・デザイン・障害を考える3日間-」展の連携事業として開催します。

会期   2016(平成28)年10 月21日(金)~10月23日(日)
開館時間 10月21、22日は10時から22時まで、23日は10時から18時まで ※入場は閉館の30分前まで
会場   国立新美術館 企画展示室2E
入場料 無料
監修   日比野克彦(アーティスト、東京藝術大学美術学部長・美術学部先端芸術表現科教授)
主催   東京都、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)

帰国報告会~地球の裏側でTURNする~

国を越え、コミュニティ特性を超えて出会い、交流したブラジルでの経験を報告すると同時に、アートや福祉の実践者をゲストとして迎え、4年後にオリンピック・パラリンピックを開催する日本でアートプロジェクトを通してどのような社会を目指すのか、思考をめぐらせていきます。

※各回のファシリテーターは、日比野克彦、森司(アーツカウンシル東京リーディングプロジェクトディレクター)、もしくは奥山理子が務めます。
※本帰国報告会では、手話通訳者を配置しています。事前の予約等は必要ありません。
※プログラム内容は変更になる可能性があります。 

日程 2016年10月21日(金)~23日(日) 全6回
会場 国立新美術館 企画展示室2E 「TURN in BRAZIL」展示室内
参加費 無料
申し込み 不要

「レポート:TURN in BRAZIL」

サンパウロの福祉施設における交流・制作から、リオデジャネイロで展開した展示とワークショップまで。現地の人々との関わりやその反応など、約2ヶ月間にわたって「TURN in BRAZIL」に参加したプロジェクトメンバーが経験した出会いと交流の日々を報告します。

日時 10月21日(金)20:30~21:30
登壇者 日比野克彦(アーティスト、東京藝術大学美術学部長・美術学部先端芸術表現科教授)
五十嵐靖晃(TURN in BRAZIL参加アーティスト)
瀧口幸恵(TURN in BRAZIL参加ワークショップファシリテーター)
畑まりあ(アーツカウンシル東京)

五十嵐靖晃 (TURN in BRAZIL参加アーティスト)

image0131978年千葉県生まれ。2005年東京藝術大学大学院修士課程修了。人々との協働を通じて、その土地の暮らしと自然とを美しく接続させ、景色をつくり変えるような表現活動を各地で展開。これまでのプロジェクトで、2005年にヨットで日本からミクロネシアまで約4000㎞、2012年に日本海沿岸をたどる約970㎞の航海を経験。“海からの視座”を活動の根底とする。代表的なプロジェクトとして、樟の杜を舞台に千年続くアートプロジェクトを目指す福岡県太宰府天満宮での「くすかき」(2010〜)や、漁師らと共に漁網を空に向かって編み上げ土地の風景をつかまえる「そらあみ」(瀬戸内国際芸術祭2013・2016)などを多数地域で行う。熊本県津奈木町では海の上にある廃校を拠点にしたアートプロジェクト「赤崎水曜日郵便局」(2013~2016)の企画運営に携わる。東京2020オリンピック・パラリンピック文化プログラムのリーディングプロジェクト「TURN」(TURNフェス /2016)(TURN in BRAZIL /2016)参加アーティスト。

瀧口幸恵 (TURN in BRAZIL参加ワークショップファシリテーター)

takiguchi_200

(C)冨樫実和(だしフォト)

1990年徳島県生まれ。2013年香川大学法学部法学科社会設計コース卒業。在学中に公益社団法人セカンドハンドの学生部に加入し、カンボジアのフェアトレード商品販売・啓発活動、及びスラム街の学生への奨学金支援を行う(2011年度は学生部代表)。広告代理店勤務後、墨田区を拠点にワークショップや交流イベントを開催。すみだ川ものコト市ではボランティアコーディネートを担当している。2014年、働いていた東向島珈琲店でアーティストのEAT&ART TARO氏と出会い、以後複数作品のアシスタントを務める。(参加プロジェク ト:大地の芸術祭越後妻有トリエンナーレ2015『ザキュウリ ショー』 、食通-Food correspondence-(アートNPOヒミング)、TURNフェス『夕飯コンシェルジュ』他)

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「Autista と Artista ~自閉症児療育施設「PIPA」で糸と向き合う~」

サンパウロの自閉症児療育施設「PIPA(Projeto de Integração Pró-Autista)」に滞在し、糸をとおして、自閉症の子供たちと交流した五十嵐。その糸は東京・町田で障害のある人とない人が共に物づくりに励んでいる「クラフト工房La Mano」が提供しました。障害特性の理解の重要性と同時に、障害特性に留まらない新たな眼差しで、出会うこと、関わることの可能性について語り合います。
※ポルトガル語で、Autistaは「自閉症」、Artistaは「アーティスト」を意味します。

日時 10月22日(土)14:00~15:30
登壇者 高野賢二(クラフト工房La Mano施設長)
五十嵐靖晃(TURN in BRAZIL参加アーティスト)

高野賢二(クラフト工房La Mano施設長)

takano_2001976年生まれ。福島県二本松市出身。学生時代に東京で染色を学ぶ。2000年クラフト工房LaMano入社。染色担当の指導員として染色の技術を生かし、障がいのある人たちとの物づくりを模索。手ぬぐいを使った草木染めの鯉のぼりや施設の利用者が描いた絵をもとにした型染手ぬぐいを企画。2006年には、障がいのある人たちの仕事として、表現やアート活動を始動する。アート×クラフト×デザインの融合した商品制作や人と人との関わりから生まれる可能性に新しい福祉型ものづくりを模索中。

五十嵐靖晃(TURN in BRAZIL参加アーティスト)

image0131978年千葉県生まれ。2005年東京藝術大学大学院修士課程修了。人々との協働を通じて、その土地の暮らしと自然とを美しく接続させ、景色をつくり変えるような表現活動を各地で展開。これまでのプロジェクトで、2005年にヨットで日本からミクロネシアまで約4000㎞、2012年に日本海沿岸をたどる約970㎞の航海を経験。“海からの視座”を活動の根底とする。代表的なプロジェクトとして、樟の杜を舞台に千年続くアートプロジェクトを目指す福岡県太宰府天満宮での「くすかき」(2010〜)や、漁師らと共に漁網を空に向かって編み上げ土地の風景をつかまえる「そらあみ」(瀬戸内国際芸術祭2013・2016)などを多数地域で行う。熊本県津奈木町では海の上にある廃校を拠点にしたアートプロジェクト「赤崎水曜日郵便局」(2013~2016)の企画運営に携わる。東京2020オリンピック・パラリンピック文化プログラムのリーディングプロジェクト「TURN」(TURNフェス /2016)(TURN in BRAZIL /2016)参加アーティスト。
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「参加と共有 ~伝統工芸に集まった新しい人々~」

ブラジル、日本の伝統工芸を題材に展開したプロジェクトに対して、リオデジャネイロで開催したカンファレンスに登壇した太下氏は、「TURN」と日本の伝統文化との共通性について言及しました。帰国後の再検証の機会として、伝統のものづくりに造詣が深い西山氏と、人や状況との関係を作品化するJack氏とともに、交流するアート、関係するアートにおける伝統的手法の介在の可能性について語り合います。

日時 10月22日(土)17:30~19:00
登壇者 太下義之(三菱UFJリサーチ&コンサルティング芸術・文化センター主席研究員/センター長)
西山マルセーロ(竹中大工道具館主任研究員)
James Jack(TURN参加アーティスト)

太下義之(三菱UFJリサーチ&コンサルティング芸術・文化センター主席研究員/センター長)

oshita_200公益社団法人日展理事、公益財団法人静岡県舞台芸術センター(SPAC)評議員、公益社団法人企業メセナ協議会監事。文化経済学会<日本>監事、文化政策学会理事。コンテンツ学会理事、政策分析ネットワーク共同副代表。文化審議会文化政策部会委員(~2015年3月)、観光庁「世界に誇れる広域観光周遊ルート検討委員会」委員。東京芸術文化評議会委員、大阪府・大阪市特別参与(~2015年3月)、沖縄文化活性化・創造発信支援事業(沖縄版アーツカウンシル)評議員、鶴岡市食文化創造都市アドバイザー、新潟市文化・スポーツコミッションアドバイザー、文化情報の整備と活用「100人委員会」委員、著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム発起人など、文化政策関連の委員を多数兼務。

西山マルセーロ(竹中大工道具館主任研究員)

 1964年ブラジル、サン・パウロ生まれ。1988年法政大学工学部建築学科卒業。ポルトガルのリスボン大学とスペインのマラガ大学での留学を経て1999年東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程修了。博士(工学)。1996年から2003年まで信州大学工学部社会開発工学科助手。2003年より現職。主に建築史学と建築技術史に従事する。

James Jack(TURN参加アーティスト)

jj_turn2001979年生まれ。ハワイ大学大学院マノア校で修士号を取得。明仁皇太子奨学金フェロー。東京藝術大学で博士号を取得。ホノルル美術館、釜山ビエンナーレ・シーアートフェスティバル、シンガポールのInstitute of Contemporary Art、TAMAギャラリー(ニューヨークシィ)、Satoshi Koyama Gallery(東京)、ポートランド芸術センターなどの展覧会に出品。『モダンアートアジア』、『アートアジアパシフィック』、『ISSUE』、『ジャパンタイムズ』には、論文、エッセイ、インタビュー、詩が掲載された。また作品カタログが、ハワイ現代美術館とブラム&ポーギャラリーから出版。現在、九州大学ソーシャルアートラボ特別研究員。
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「余白と未完 ~異なる他者との過ごし方~」

「TURN in BRAZIL」では、プロジェクトをとおして出会う人々との交流のみならず、ブラジルの風土や習慣に身を置くことで、日本での日常とは異なる点から多くの気づきを得ました。TURNにおいて重要な、「過ごす場所」と「過ごし方」について、新しい福祉施設のあり方を試みるしょうぶ学園・福森氏と、芸術文化施設とアートの新たな関係の構築について研究する佐藤氏とともに考えます。

日時 10月22日(土)20:00~21:30
登壇者 佐藤慎也(日本大学教授・建築家)
福森伸(知的障がい者支援施設しょうぶ学園統括施設長/工房しょうぶ主宰)
日比野克彦(アーティスト、東京藝術大学美術学部長・美術学部先端芸術表現科教授)

佐藤慎也(日本大学教授・建築家)

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(C)川瀬一絵

1968年東京都生まれ。建築に留まらず、美術、演劇作品制作にも参加。『+1人/日』(2008、取手アートプロジェクト)、『個室都市 東京』ツアー制作協力(高山明演出、2009、フェスティバル/トーキョー)、『戯曲をもって町へ出よう。』コンセプト(中野成樹・長島確・矢内原美邦演出、2010)、「3331 Arts Chiyoda」改修設計(2010)、『アトレウス家プロジェクト』(2010~16)、『四谷雑談集』+『四家の怪談』つくりかたファンク・バンド(2013、フェスティバル/トーキョー)、「としまアートステーション構想」策定メンバー(2011~)、「長島確のつくりかた研究所」所長(2013~16)、『←』プロジェクト構造設計(長島確+やじるしのチーム、2016、さいたまトリエンナーレ)など。

福森伸(知的障がい者支援施設しょうぶ学園 統括施設長/工房しょうぶ主宰)

fukumori_turn1959年鹿児島県生まれ。日本体育大学卒。1983年より両親の経営する、障がい者支援施設「しょうぶ学園」に勤務。木材工芸デザインを独学し、自らも制作者の一人として1985年障がい者施設の中に「工房しょうぶ」を設立。特に2000年頃より縫うことにこだわってプロデュースした「nui project」の作品は、アメリカ他日本各地で高く評価されている。また、音パフォーマンス「otto&orabu」・家具プロジェクト・食空間コーディネートなど「衣食住+コミュニケーション」をコンセプトに、工芸・芸術・音楽等、新しい「SHOBU STYLE」として、知的障がいをもつ人のさまざまな表現活動を通じて多岐にわたる社会とのコミュニケート活動をプロデュースしている。
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「小さなまちと福祉施設 ~地域に寄り添う、人に寄り添うアートプロジェクト~」

アーティストの関わりによって地域の新たな価値を見出すアートプロジェクトを推進してきた実践者とともに、地縁とは異なるコミュニティ特性に注目し働きかけるTURNを検証し、アートプロジェクトの社会的役割について語り合います。

日時 10月23日(日)13:30~15:00
登壇者 芹沢高志(P3 art and environment 統括ディレクター)
山野真悟(黄金町バザールディレクター)
吉本光宏(ニッセイ基礎研究所研究理事)

芹沢高志(P3 art and environment 統括ディレクター)

serizawa_2001951年東京都生まれ。生態学的地域計画の研究に従事したあと、1989年、P3 art and environmentを設立。以後、現代美術、環境計画を中心に、数多くのプロジェクトを展開する。とかち国際現代アート展「デメーテル」総合ディレクター(2002)。アサヒ・アート・フェスティバル事務局長(2003〜)。横浜トリエンナーレ2005キュレーター。別府現代芸術フェスティバル「混浴温泉世界」総合ディレクター(2009、2012、2015)。デザイン・クリエイティブセンター神戸センター長(2012〜)。さいたまトリエンナーレ2016ディレクター。著書に『この惑星を遊動する』(岩波書店)、『月面からの眺め』(毎日新聞社)、『別府』(別府現代芸術フェスティバル「混浴温泉世界」実行委員会)など。

山野真悟(黄金町バザールディレクター)

yamano_2001950年福岡県生まれ。1978年よりIAF芸術研究室を主宰、展覧会企画等をおこなう。1990年ミュージアム・シティ・プロジェクト事務局長に就任。1990年より隔年で街を使った美術展「ミュージアム・シティ・天神」をプロデュース。「まちとアート」をテーマに、プロジェクトやワークショップ等を多数てがける。2005年「横浜トリエンナーレ」キュレーター。2008年より「黄金町バザール」ディレクター、翌2009年黄金町エリアマネジメントセンター事務局長に就任。2014年芸術選奨文部科学大臣賞受賞。

吉本光宏(ニッセイ基礎研究所研究理事)

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(C)Keiji Takashima

1958年徳島県生まれ。早稲田大学大学院修了(都市計画)後、社会工学研究所などを経て1989年からニッセイ基礎研究所。東京オペラシティやいわきアリオス、東京国際フォーラム等の文化施設開発やアート計画などのコンサルタントとして活躍する他、文化政策、創造都市、オリンピック文化プログラムなどの調査研究に取り組む。文化審議会文化政策部会委員、文化庁2020年に向けた文化イベント等の在り方検討会座長、文科省オリンピック・パラリンピック教育に関する有識者会議委員、東京芸術文化評議会評議員/文化プログラム検討部会部会長、(公社)企業メセナ協議会理事、文化経済学会理事などを歴任。東京藝術大学非常勤講師。著作に「文化からの復興―市民と震災といわきアリオスと」「再考、文化政策(ニッセイ基礎研所報)」等。

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「クロージングトーク:言葉にする、言葉に残す」

2014年、障害者支援施設に日比野克彦がショートステイする体験から始まったTURNは、「TURN in BRAZIL」を経験し、更なる展開の可能性を見出しました。監修者とコーディネーターが、帰国報告会の総括として、「これまでのTURNとこれからのTURN」について語り合います。

日時 10月23日(日)16:00~17:30
登壇者 日比野克彦(アーティスト、東京藝術大学美術学部長・美術学部先端芸術表現科教授)
奥山理子(アーツカウンシル東京TURNコーディネーター、みずのき美術館キュレーター)

*参考:「ここから -アート・デザイン・障害を考える3日間-」
会期:平成28年10月21日(金)~23日(日)
会場:国立新美術館 企画展示室2E 入場:無料
主催:文化庁 共催:国立新美術館、東京都、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
※詳細については、公式ウェブサイトよりご確認ください。

オリンピアードロゴ

会場アクセス

国立新美術館 企画展示室2E
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2

電車
・東京メトロ千代田線乃木坂駅、青山霊園方面改札6出口(美術館直結)
・都営大江戸線六本木駅7出口から徒歩約4分
・東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から 徒歩約5分

バス
・都営バス、六本木駅前下車徒歩約7分、青山斎場下車徒歩約5分
・港区コミュニティバス「ちぃばす」赤坂
・循環ルート六本木七丁目下車徒歩約4分
※運行系統、バス乗場については各事業者にお問い合わせください。

※詳細は国立新美術館ウェブサイトよりご確認ください。

お問い合わせ

アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団) 事業推進室事業調整課
TEL:03-6256-8435(10:00~18:00、土日祝日を除く)